ブログ⑦ 緩和ケア科 1年目3月 久保 敏大
2022年11月29日 久保 敏大
2022年3月、1年目の臨床研修の最後に回った科は鹿児島市医師会病院緩和ケア科でした。
主な日々のスケジュールとしては
回診、緩和ケア面談に同席してカルテ記載、癌性腹水、胸水が溜まっている患者さんに腹腔・胸腔穿刺を施行し腹水・胸水を抜いていました。
〈鹿児島市医師会病院8階緩和ケア病棟、くまモンとプーさん〉
初めて1人でお看取りをしたのは受け持ちの肺がんの患者さんでした。
昨日まで世間話をしていた人が亡くなる。
自分で死亡の診断を付ける。
死亡診断書を記載する。
国家試験には死亡診断書の記載についての問題が出題されますがこんなに早く書くことになるとは思ってもみませんでした。
厳しい(とっても優しい)師長の添削を受け、間違いがないことを確認して完成させます。
お迎えの葬儀社さんが来るまで看護師さんと一緒にエンゼルケアを行いました。
これは国家試験では勉強してこなかったことでした。
できるだけきれいになるように、尊厳を持って、ケアを行います。
職員みんなで地下まで降りて霊柩車の出発までお見送りをしました。
その日のことは一生忘れられないと思います。
〈面談室〉
その方は亡くなる1週間前にかかりつけの在宅医と相談し自宅に帰る事ができました。
自宅での生活が少しでも楽になるように退院前日に私が胸水を抜きました。
家で何をしたらいいかが多すぎて困っている患者さんとやることリストを一緒に作りました。
私がした医療行為で患者さんが家に帰ることができ穏やかな気持ちになれたなら私でも緩和ケアを行えたのだなと今は思います。
〈談話室〉
医師会病院の緩和ケア病棟の雰囲気がとても好きです。
先生方も臨床心理士の先生も看護師さんたちも看護助手さんの方々も優しく粛々と仕事をされていて、患者さんのために毎日工夫して業務を行っています。
将来こんな環境で働ければと強く思います。